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「別視点を提供する」ビジョンを現実に変えるジールスNo.2の視座

ジールス取締役、竹田将宏。
社内では、あだ名の「シンゲン」で呼ばれています。

ジールスという会社を外から見ていると、代表・清水正大の強烈なビジョンや発信力が目に入りやすいと思います。

その隣には、会社を冷静に見つめ、事業・組織・リスクを立体的に捉えるNo.2の竹田がいます。

清水のビジョンを信じながらも、

「今それは取るべきリスクなのか」
「会社にとって本当にベストなのか」
「組織はその変化に耐えられるのか」

俯瞰した立場で意思決定を行う竹田に、「No.2の役割とは何か」聞いてみました。

竹田 将宏 | Masahiro Takeda

ヘルステック系スタートアップで人材・メディア・店舗事業を牽引し、COOとして急成長を実現。2019年にZEALSへ入社後、アカウントプランナーを経てマーケ組織をゼロから立ち上げる。エンタープライズ/SMB向けの新規事業と既存事業を総管掌し、現在は取締役としてビジネス部門を指揮。

「このまま60年働くのか」——工場勤務で芽生えた違和感


渡邊:まず、簡単に自己紹介をお願いします。

竹田:ジールスで取締役をやっている竹田です。あだ名は「シンゲン」です。本名が竹田なので、シンゲンという感じです。

僕がジールスに入社したのは2019年です。もう7年目ぐらいになります。
当時は中途入社なんですが、年齢は22歳ぐらい。新卒のメンバーとも同い年ぐらいでした。なので、年齢的には新卒と同じだけど、立場は中途という少し変わった入り方でした。

渡邊:最初はどういうポジションで?

竹田:まずセールスから始めました。当時はチャットコマースの事業がこれから伸ばしていくぞというタイミングで、特にセールスが重要でした。

その後、マーケティング、新規事業、既存事業のマネジメントを経験して、執行役員になり、取締役になったという流れです。

渡邊:今の仕事を端的に言うと、何になりますか?

竹田:日本のビジネスのグロース、その統括責任者という感じです。
ちょうど1年前に取締役に就任したタイミングから、その任を担っています。

渡邊:ありがとうございます。少し経歴がユニークなのでそこから行きたいと思うんですが、高校を卒業して、大学に行かずに就職したんですよね。

竹田:はい。地元が東京ではなく富山なので、卒業してすぐに地元の企業に就職しました。そこに2年勤めて、その後に上京してきました。

渡邊:高校卒業後に勤めたのは、どんな会社だったんですか?

竹田:工場勤務でした。会社の規模としてはかなり大きくて、従業員も何万人規模。グローバルに展開している企業でした。

大卒の新卒社員もたくさんいて、その人たちは最初に工場を経験した後、海外に行って、ポジションを持って、戻ってきて偉くなる。そういうルートが設計されていました。

一方で、高卒や専門学校卒は、基本的には日本の工場で働き続ける。
そういう王道ルートが見えたんです。

渡邊:その会社におけるキャリアのルートみたいなものが見えちゃったんですね。

竹田:そうですね。あと仕事も完全にオペレーション化されていました。自分は巨大な組織の中の1ピースでしかない。自分が全体の中で何をしているのかも、よく分からない。

渡邊:なるほど。

竹田:その時に思いました。「自分はこれをこの先60年ぐらいやっていくのか」と。そこから、生きる意味みたいなものを考え始めました。

渡邊:生きる意味を考えた。その結果、何に行き着いたのですか?

竹田:その時に行き着いたのが、世の中を変えるぐらいのイノベーションを起こすことをやりたい、という思いでした。

渡邊:それはなぜ?

竹田:当時の自分は工場にいるだけで、地元も田舎です。
インターネットも、サービスとしては使っているけれど、それがどう動いているのか、誰が作っているのかは分からない。

スマホもあるし、便利で画期的なものは世の中にたくさん存在している。
でも、それを誰がどう作っているのかが気になり始めました。そこにはきっとイノベーションがあったはずで、そこから強く技術革新に興味を持ち始めたんですよね。

渡邊:工場で1年働くことによって、自分の将来が見えた時、そうしたイノベーションに自分も加担というか参画したくなった?

竹田:はい、何かを成したいなと。となると、そういうことが行われている最先端の場所に行く必要がある。いくつか選択肢はありましたが、やっぱり東京だろうと。

渡邊:そこから東京に出た。

竹田:はい。しばらく無職でした。貯めていたお金でなんとかしながら、本を読んだり、調べたりして、どうしていこうかを考えていました。



上京した当時の竹田

ジールス入社時の竹田


「狂ってる」けど「仲間思い」——その日にジールスへの就職を決めた清水正大との出会い


竹田は上京後、東京のスタートアップで働いていたが、会社の方針転換を機に転職を考え始めていた。


渡邊:そこからジールスに来るきっかけは何だったんですか?

竹田:実は、前職の代表の紹介です。
前職の代表が、うちの代表の清水とつながっていたんです。

渡邊:代表が転職先を紹介するというのは珍しいですね。

竹田:はい、とてもお世話になっていたのですが、前職が会社としてピボットして、全然違うビジネスをやることになりました。その時に、自分としては少し目指している方向性が違うなと思って、正直に話をして相談に乗ってもらったんです。

渡邊:すごくいい代表の方ですね。そこで清水を紹介してくれた?

竹田:はい、「お前の考えに合っているやつがいると思う」と言われたんです。それが清水で、五反田のオフィスの近くのカフェで、3人で話しました。

渡邊:当時の清水正大に、ビビッときた?

竹田:きましたね。その場で、ジールスに行くことが決まりました。当時は、今よりも荒々しいというか、荒削りにも見えたんですが、目指しているビジョンにはすごく惹かれました。

渡邊:ビジョンのどういうところに惹かれたんですか?

竹田:僕は、唯一無二な要素に惹かれるタイプなんです。
どうせなら、世の中にまだないけれど価値がありそうなことをやりたい。日本をぶち上げるという強烈なビジョンは唯一無二だったし、世界を戦おうという会社はたくさんあると思いますが、本気でそのビジョンを考えているなと思えたのがジールスであり、清水でした。

渡邊:なるほど。

竹田:「コミュニケーションを科学する」という言葉も、言っていることは分かる。
できるかどうかは分からないけれど、この人は本気なんだなと思いましたし、この本気度があるならなんとかなるだろうなと。

渡邊:僕も最初に清水に会った時、近い印象を受けました。

竹田:加えて、清水は当時から仲間のことをすごく信頼していました。ただただビジョンを語るだけでなく、自分の下で働いてくれているメンバーのことを、ものすごく話してくれたんです。

渡邊:それはいいですね。

竹田:明確なビジョンがあって、かなり狂っている人だと思いつつも、同じくらい強烈に仲間のことを信頼している。
この人と、この人が信じている組織なら、何かを成せるかもしれないと思いました。

渡邊:その場で意思決定したんですか?

竹田:この場で「一旦持ち帰ります」と言っても、多分この人には通用しないだろうなと思ったんです。

ここでイエスと言うのか、それともこの組織に身を置かないという意思決定をするのか。
そういう場だと感じました。


遠くまで走るための「別視点」を提供する。

渡邊:今、取締役としてかなり近くで仕事をするようになって、清水さんの印象は変わりましたか? 出会ったのは2018年、2019年ぐらいですよね。

竹田:根本は、ずっと変わらないなと思います。とにかくビジョンにまっすぐ、強烈な信念のもと全速力で走り続けている。瞬間風速なら、誰でも出せるかもしれません。でも、清水はずっとあの感じでやり続けている。

渡邊:清水正大は、まさに外から見ると強烈なビジョンで突き進む代表に見えると思います。近くで見ているからこそ見える姿はありますか?

竹田:やっぱり、人や仲間に対する信頼がすごく強いところですね。あと、未来を語るだけではなく、その未来に仲間を巻き込む力がある。
ビジョンだけで人を動かしているのではなく、「この人と一緒にやったら何か起きるかもしれない」と思わせる人間的な引力がある。

渡邊:ビジョンだけではなく、人への向き合い方も含めて、社長の強さになっている。

竹田:そうですね。ワクワクすることに人を引き連れていく力がある。それは、ロジックも人や仲間を信じる力も含めて発揮されていると思います。

渡邊:清水さんは、これだと思ったら突き進むタイプです。一方で竹田さんは、今はかなり冷静に会社を見ているように感じます。ある種、対極にいるタイプでもありますよね。

竹田:それはめちゃくちゃあります。

清水が言っていることは、常にワクワクするし、ものすごくよく分かるんです。外からの見え方と違って、実はとてもロジカルでもあるから手放しに乗っかりたい自分もいる。でも、取締役でもある自分はあえて違う目線を持つ必要があると思っています。

渡邊:というのは?

竹田:「今それが本当にベストなのか」を、あらゆる点から見にいく。批判のための批判ではなく、うまくいく可能性を引き上げるために、高速で検証し、別の視点を提供する。

渡邊:例えば?

竹田:例で言うと、何か意思決定しようというシーンがあったとして、この理由なら取るべきリスクではないのではないか。でも、こういう側面もあるのではないか。とにかく多角的に、複数の目で検証をする。そういう別の目線、複眼を持つことが、自分の役割になっている感覚があります。

渡邊:外から見るともしかしたら批判っぽく見えることもあるかもしれないけれど、実際は違う視点を出している。

竹田:そうですね。その中でも、自分の中で天秤にかけて、乗るべきだと思ったら乗ります。多角的に検証した後に「乗る」と、そうでない時と比較して推進力も出せている感覚はありますね。


取締役就任で見え方が変わった。「達成する側」から「目指すものを決める側」へ


全社に向けてプレゼンを行う竹田

全社に向けてプレゼンを行う竹田


昨年、取締役に就任した竹田は、これまでとは違う立場になったことで、会社の見え方が大きく変わったと言います。


渡邊:取締役に就任してから、竹田さんが一気に変わった感覚があります。取締役になってから、意図的に変えたところや、変えざるを得なかったところはありますか?

竹田:意図的に変えたというよりも、経営というものを少しずつ立体的に捉えられるようになったことが大きいと思います。

渡邊:立体的に、というのはたとえばどういうことですか?

竹田:今までは、ある意味で「トップラインを伸ばせばいい」という思考でした。でも取締役になってからは、それだけではなく、違う考え方や軸が出てきました。

渡邊:違う考え方や軸。

竹田:「この数字は、なぜここでこうするべきなのか」「どの時間軸で、何の前提に基づいて、何をどうするのか」。そういうことを、自分が考える側になったんです。

これまでは、目標や方針が降ってきて、それをどう達成するかを考える立場でした。でも今は、そもそも何を目指すのか、なぜそれを目指すのかを考える側になっている。そこは明らかに変わりました。

渡邊:達成計画を作るのとは、わけが違う。

竹田:全然違います。言われた目標を目指す方が、正直めちゃくちゃ楽です。それだけ考えていればいいので。

でも今はそうではない。経営陣として話せること、話せないことも増えました。そういう立場になったことで、持つべき考え方が変わった感覚があります。

渡邊:外から見ると、竹田さんは取締役になってから、より強くなったように見えます。本人としては、何か変化を感じていますか?

竹田:見えているものは大きく変わったと思います。昔のように「絶対これだ」と一つの方向に強く振り切るだけではなく、今は複数の要素を同時に見ながら判断する場面が増えました。

コストもある。組織もある。時間軸もある。いろいろなバランスの中で、何が会社にとって最適なのかを考えるようになっています。

渡邊:いろいろな角度で見ている。

竹田:そうですね。意志だけで決めるのではなく、事業、組織、コスト、時間軸を含めて判断する必要がある。

それはジールスが目指している方向性のために必要なことだと思っています。取締役になったことで、自分の中でも意思決定の基準が変わってきている感覚があります。



インタビューで見えてきたのは、ジールスは、勢いだけで走っている会社ではない。ということ。

竹田は、清水の勢いを止める存在ではなく、
その勢いを、事業として、組織として、現実に変えていくNo.2がいるということでした。

後編では、生成AIマーケットの渦中にいるジールスを竹田がどう捉えているのか、そしてジールスでこれから活躍する人材とはどんな人なのか。より具体的なNo.2の視点を探っていきます。

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